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八王子の注文住宅の工事状況

2015年5月27日

工務店が材木加工する必要性

八王子市で創業55年、家づくりの大久保工業 代表の大久保篤です。

ローテクでも、残すべき技術はある。木材加工,手刻み

家を建てる時に柱、梁、土台といった材木を組み合わせて建てることは、
一般の人でも当然のように理解されていると思います。

柱と土台、梁を組み合わせる時、土台同士や梁同士をしっかりと
組み合わせるために必ず、仕口・継手といった材木を加工する
作業が必要となります。

仕口・継手とは木が組み合わさる部分に穴を開けたり、突起を設け
たりすることです。

このような作業内容のことを手刻み(てきざみ)といい、
大工が身につけなければならない重要な技能のひとつです。

仕口・継手の形状もいろんな種類があり、熟練の技術の修得は
一朝一夕ではできません。

しかし、現在では家を建てる時に、この手刻みの作業をせずに
家を建てることができます。

大工が材木に墨付けをし、ノミやノコギリを使って加工するのではなく、
プレカット加工が今では一般的です。

プレカット加工とは、大工がこれまで行ってきた仕口・継手加工を
ITの発達により、あらかじめ工場でコンピュータ制御された専用機械
により加工してしまうことです。

全国にプレカット工場はあり、大きな工場では年間1万棟~2万棟分
の生産能力があるそうです。

プレカット加工の方が手刻み加工よりも時間がかからずに、加工精度が高いといわれています。

大工の腕の良し悪しに左右されないということです。
しかも、プレカットの方がコストも安く済みます。

したがって、住宅メーカーから小さな工務店までがプレカット工場に
加工を発注するようになりました。
今では手刻みよりも、プレカット加工により建てられる住宅
の方が圧倒的に多くなったわけです。

私の会社でも新築住宅を建てる時には、ほとんどプレカット加工
に出しています。

品質が高く便利で低コストなものは利用しない手はないというのが、
ビジネスとしては常道だと思います。

しかし、基本は忘れてはならないはずです。

先日、バルコニーを木で作ってほしいとの依頼を受けました。
材木を組み上げるための仕口・継手加工の必要な材木の数は、
家を新築する時のように多くありません。木材加工,バルコニー

少量をいちいちプレカット工場に発注していたら、却って時間も
コストもかかってしまいます。

したがって、今回は大工が加工しましたが、
ローテクでも馬鹿にしたものではなく、
時と場合によってはハイテクよりも便利で安い時があるのです。

便利なものに頼り過ぎた世の中になったせいか、生活する上でも
昔の人が難なくしていた作業でも、現代人にはできないことって
結構あるのではないでしょうか。

家づくりの世界でも、この手刻み加工をできない大工さんが
増えてきていると言われています。

手刻み加工をする時には、大工は木の癖を見ます。
1本1本の木の特性を見て配置すべき箇所を決めたり、
節のある部分は加工を避けたりするのです。

手刻み加工ができない大工は、木の特性を見る目もないに等しい
ということかもしれません。

柱や梁といった構造材だけでなく、内部の造作材といわれる
窓枠や階段材などでさえもプレカットされ、現場に配達された
ものを簡単に組み立てられる工業化製品が一般的になりました。

そういった材料だけを使った家づくりであれば、木を見る目や
熟練の技術は必要ないかもしれません。

またハイテクの浸透が、無垢材や自然素材が敬遠される一因
なのかもしれません。

でも私の会社では、無垢フローリングなどの無垢材を扱うことが
多いですし、その良さを自分たちの領域で広めていきたいと
思っています。

そのために、
ハイテク技術に頼り切って腕を落とすことなく、
コアとなるローテク技術は残していかなければならない
と考えています。

大久保工業は、自然素材を取り入れた、気持ちのいい家づくりが大好きな地域密着の工務店です。
お問い合わせは、こちらからお願いいたします。

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投稿者:大久保篤
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