工務店と住宅メーカーのブランド
こんにちは!
八王子市で創業55年、自然素材の家づくりNo.1工務店を目指す
大久保工務店 代表の大久保篤です。
家づくりを考える時の依頼先について考える機会がありました。
私は小さな工務店の経営者なので、これから書くことは工務店
贔屓の内容になるかもしれません。
区画整理地域内で新築工事をさせて頂いた時のことです。
区画整理は行政などが、古い一定の地域の土地を道路と
共に宅地を作り直すので、新築の家が同時期にそのエリアで
何棟も建てられます。
私の会社のお客さんの家づくりは、周囲の方々の家が完成し
ご近所さんが既に住み始めてからの家づくりでした。
工事開始前に近隣の方々に、お客様と一緒にご挨拶に伺い工事
を始めました。
それからしばらくして、お客様に言われたことで釈然としない
気持ちになりました。
ストレートな言い回しではなかったらしいのですが、お隣の方に
「工務店に頼むとは物好きね、任せて大丈夫なの?」
的なニュアンスのことをお客様が言われたそうです。
確かに周りを見渡すと住宅メーカーで建てられた家ばかりです。
やはり、家も洋服などと同じで、○○ハウスや○○ホームといった、
住宅メーカーに対して、エルメスやヴィトンと同じように
ラグジュアリーな雰囲気を抱くものなのでしょうか。
工務店というと、野暮ったくてダサいイメージ
なのだなと感じた出来事でした。
また、大きな会社に任せた方が品質においても、
なんとなく安心という心理が働くものだとも思います。
しかし、実は工務店の市場シェアは高いのです。
住宅業界は売上高1兆円規模の住宅メーカーと
数千万円規模の零細工務店が混在する特殊性があります。
自動車や家電製品などのように、数社で市場シェアの大部分
を占めているわけではないのです。
社員数2万人を超える会社と数人の会社が、
同種・同規模の製品を供給している市場です。
そして、市場統計を見ると年間供給棟数50棟未満の
地場工務店が約50%のシェアを占めているそうです。
さらに、プレハブやツーバイフォーなどを除いた
木造軸組工法の住宅に限れば、地域工務店のシェアは
約60%となるそうです。
このことは、
家づくりが全く同じものを大量生産するものではなく、
一品生産をするものだということを現しています。
確かに、家の大部分を工場でユニット生産加工した
プレハブ住宅や大量生産された材料を現場で組み立て
ていく住宅もあります。
しかしまだまだ、機械ではできない人力や
熟練の手仕事が家づくりには、必要なこと
を物語っていると思います。
工務店は住宅メーカーのように
下請け、そのまた下請けへと仕事をたらい回しにしない、
営業マンがいない、展示場がない
などの間接経費がかからない分、安いといった
メリットを前面に出す営業手法もありますが、
ここではそのようなことを述べるつもりはありません。
これまでの時代は住宅に限らず、いろんな製品が大量生産、
規格品、普及品が重宝されてきたと思います。
ここで、言いたいのは、
みんなと一緒、普通が良いといった感覚は
薄れてきている時代なのではないかということです。
何も超個性的な物、尖ったデザインの物が良いと言っているわけではないです。
ただ、大企業が考えたお仕着せや大量生産品を選んで良いと
感じるのではなく、
たまには、一点ものを選ぶコダワリもカッコイイ感や満足感
を得られるのではないかと思っています。
ちょっとだけ視点を変えて、家づくりにおいても、
手作りの温もりが感じられたり、工業製品にはない味わいを感じられる自然素材を扱える工務店の良さに目を向けてもらいたいと思っています。
コダワリの間取りの実現、塗り壁の手作り感、無垢の床の1枚ごと
の表情などは、工業製品にはない一点ものです。
家の全ての部分にこだわるのは無理でも、
この部屋だけには、一点ものの素材を使おう、
こだわろう、でもいいと思っています。
注文住宅とは、自分だけの一点ものであるべきと
考えています。
営業力、発信力、ブランド力が地域工務店にないことは否めませんが、
自分の地域の工務店のホームページなどにも覗いてみて
もらいたいと考えています。
自分なりの家づくりを実現できそうな会社が、
地域ごとに存在するはずです。
大久保工務店は、自然素材を取り入れた、
気持ちのいい家づくりが大好きな地域密着の工務店です。