東京・八王子で自然素材・無垢材を使った新築・注文住宅 | 大久保工務店公式サイト

ブログ

BLOG

八王子の注文住宅の施工状況写真

2015年4月8日

無垢フローリングと大工の腕

八王子市で創業55年、家づくりの大久保工業 代表の大久保篤です。

無垢フローリングを貼るには大工さんの経験と腕が必要か?

無垢床の貼りはじめ

リフォーム工事で、大工のケンジさんが無垢フローリングを貼りだしました。今回はボルドーパイン、フランス原産の木で、日本語でいうと松です。

大工のケンジさんにいつ頃貼り終るか聞くと、「今回は無垢だから手間かかるよ、社長!この面積なら3日位かな」とのこと。とは言いながら無垢フローリングに慣れているケンジさんは、大抵は予定よりも1日位早く終わってしまうことが常です。

一般の方は無垢フローリングではなく、合板フローリングを目にすることの方が圧倒的に多いと思います。

合板フローリングの一般的なサイズは幅約30cm×長さ約1.8mです。かたや無垢フローリングは幅7.5cm~12cm位で、1枚貼るのに単純に約3倍のスピードの差がでるのです。

でも、「いつも見ているフローリングの幅って30cmもないよね、ウチのは10cm位だから無垢かも」と思われる方もいるかもしれません。

合板フローリングはベニアが基材です。薄くスライスされた木を5枚接着剤で貼り合わせたベニア板の表面に、さらに薄くスライスされた木目の単板やシートを貼って、10cm程度の間隔で溝を掘ったものです。だから、30cmではなく10cm位の幅に見えるのです。

薄くスライスされた木を接着剤で固めていますから、無垢の木と違い、伸びたり縮んだりはしません。しかも、最近は表面が傷つきにくい加工を施された製品も多いです。工事する側にとっては非常に便利な材料です。

無垢フローリングは、原木を製材してフローリング1枚1枚そのもののサイズに加工して製品となります。断面を見ればベニア板のように何層にも貼り合わされていないことが分かります。しかし、柔らかい樹種でできたフローリングの場合は、傷がつきやすいのが特徴です。

そして、無垢の場合、フローリングとして製品になっても調湿します。季節によって湿度の変化により、木が伸び縮みするのです。したがって、1枚貼るごとにスペーサーと呼ばれるものを使って敢えて隙間を作りながら貼り上げていくのです。写真で青く見えるのがスペーサーです。

隙間なくギチギチに貼ってしまうと、湿度が高い時期に木が膨張して隣同士のフローリング1枚1枚が、逃げ場がなくなり突き上げてしまう現象が起きます。
逆に隙間を開けすぎて貼ると、乾燥した時期には縮んでフローリングの溝が必要以上に開いてしまうこととなります。

したがって、無垢フローリングを貼る時の湿度、その時の木の状態を見極めながら施工するので、大工の経験と腕が求められることなり、大工さんから手間がかかるという言葉が出るわけです。

大量に家を建てているハウスメーカーや分譲住宅を建てている会社が、無垢フローリングを敬遠しがちなのは、その辺に理由があるからだと思います。

だったら、便利な合板フローリングを使ったほうが良いんじゃないの?
となりますが、
無垢フローリングを使うのには、訳があるのです。

無垢は、合板と違い接着剤で固めていませんので調湿します。調湿するということは、空気も含むことができます。空気を含むことにより、人がふれた時に合板のように冷たさを感じず、逆に温かみを感じることができるのです。

20年、30年と使っていると、経年変化を楽しむことができます。合板の場合は、薄い木目の表面が劣化してしまえば陳腐化してしまいますが、無垢は劣化しても味わいと感じることができるはずです。杉、桧、パインなど白木の場合は、色が飴色に変化してくる過程を感じることもできます。

ちょっとした傷がついても、数滴の水を含ませてアイロンを当てると元に戻りますし、傷も味わいとして感じる人も多くいます。

ある建築家が経年変化を劣化ではなく、「古美る(ふるびる)」と表現していたのを目にしたことがありますが、長い期間、重厚感や味わいを感覚的に得ることができるのが無垢だと思います。

当社は小さい会社のため年間に沢山の工事をしているわけではないので、無垢材を扱うことを面倒と感じていません。

無垢と合板それぞれのメリット・デメリットをお客様に説明し、手間ひまはかかっても、デメリット以上の良さを無垢に感じて頂ける方に、採用いただいています。

大久保工業は、自然素材を取り入れた、気持ちのいい家づくりが大好きな地域密着の工務店です。
お問い合わせは、こちらからお願いいたします。

お問い合わせはこちら
投稿者:大久保篤
カテゴリー
More
タグ
More
最新情報
ランキング
月別アーカイブ
投稿者